ここでは、Journeyer Project のきっかけとなった「3rd place」という考え方の解説も兼ねて、私の学生時代の卒業設計をご紹介します。
①卒業設計とは
建築学科の場合、卒業資格を得るために、卒業論文の代わりに卒業設計というものを作ります。
自分でテーマを決め、自由に設計し、それを模型にして表現します。
また、設計課題では、図面や模型だけでなく、
「なぜ、このテーマを選んだのか」
「なぜ、この土地を選んだのか」
「なぜ、このようなデザインとなったのか」
といった、設計のプロセスを説明するためのプレゼンシートを作成していきます。
②テーマ:3rd place
私は卒業設計で、「3rd place」というものを取り上げました。
当時人気が出てきたスターバックスがコンセプトとしていたことを、メディアが取り上げたことで、日本でも有名になりました。
「3rd place」とは、アメリカの社会学者であるレイ・オールデンバーグが、こんな意味を込めて提唱しています。
都市の中にある「家(1st place)」「職場(2nd place)」以外の
「中間領域」を指す言葉で、これが充実しているほど、都市の魅力に影響する
③コンセプト
この「3rd place」が提唱されたのは1999年。
当時は例として、カフェ、バー、ビアホールなどを挙げていますが、今は都市での活動が実に多様化してきています。
そんな多様化した都市に、この「3rd place」をもっと混ぜこんで、
色々な選択肢を都市の中に作ったら、もっと暮らしやすくなるのではないか
という考えから、卒業設計ができあがりました。
今までは画一的な世の中だったから、他の選択肢自体を知ることがなかったけれど、これからは住まいも働き方も、いろんな選択肢が必要となってきます。
そんなこれからの暮らしを想像して、「選べるって楽しい」ということを知らしめることをコンセプトに、卒業設計を作りました。
タイトルは、「暮らしに”選ぶ”喜びを」
このJourneyer Projectでもそのまま使っています。この「暮らしに”選ぶ”喜びを」持って生きたいという気持ちが、今も変わらずあったことで、Journeyer Project を作ることとなりました。
これからこの卒業設計のコンセプト文をご紹介したいと思います。
《つづく》
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