3rd place、中間領域
それはあなたが求める場所かもしれない
①「なんとなくほしい」
それが3rd placeなのかもしれない
なんとなく行きたい場所があっても、それがどこかわからない。
なくても生活できるけれど、何か物足りない。
あればもっと良い生活が送れる気がする。
それが実は3rd place なのかもしれない。
実は3rd place って必要な空間、不可欠な空間。
今の世の中、毎日が家と職場の往復、ゆとりのない生活。
1st place と2nd place の摩擦の中で過ごす生活。
3rd place は、その摩擦を減らしてくれる、大切な場。
それがあれば、生活がもっと快適になるはず。
②「すること」と「場所」
することによってしたい場所が違う、本来はそれが当然のはず。
今の世の中が選べなくさせている。
だから選択の幅を広げる、選ぶ自由をつくる。
「働くときはオフィスで」
いつの間にかそんなルールが蔓延してしまった。
家でもできることが、カフェでもできることが、オフィスじゃなくてもできることが、
全部オフィスの中に押し込められている。
オフィスにいるだけで、気持ちが必要以上に「オン」にされる。
もっとラフな気持ちで打ち合わせをしたい時だってある。
cafe のような「オフィスっぽい空間」で仕事をしたい時だってある。
③「場の選択肢」
1st place, 2nd place の摩擦を減らすための3rd place。それがあればもっと快適になる。
でも、仕事の中にもラフな気持ちでいたい時もある。
2nd placeの中でも、「オフィスっぽい空間」も必要になってくる。
そう、3rd place だけでは足りない。3rd place と、さらにその中間領域が必要だ。
選択肢を増やし、場を多様化させることで、より魅力ある暮らしを、より魅力ある都市をつくる。
摩擦を減らす、中間領域をつくること。
「すること」によって使い分けられる、中間領域をつくること。
それが、摩耗した心を取り戻す方法。魅力的な街をつくる方法。
場の選択肢を、多様性を
選ぶ自由と暮らしのゆとりを
④3rd place のあった時と、なくなった今
かつては、日本にも茶屋や井戸端会議など、街の至る所にそれはあった。
きっと暮らしの中で、自然と必要なものとしてできあがったのだろう。
それは、心を豊かにする。
たとえ裕福な生活をしてなくとも、それが生活の中に含まれているだけで自然と豊かな暮らしを送っていた。
江戸があれだけ活気づいていたのもきっとそのおかげだ。
でも、人は効率の良い方へ方へと押し進めていった。
表面上では、なくても生きていけるものとして、これらを片付けてしまった。
おかげで日本は、こんなちっぽけな島国ながら、つい最近までGDP 世界2 位という勢いで突っ走ってきた。
心を擦り切らしながら。
ヨーロッパの国々では、今でもちゃんと広場や歴史物が守られ、仕事の休み時間には外へ行き公園でご飯を食べたり、家に帰って家族で昼食をとったりする。
週末や中休みには仕事が終わったらパブに行き、夜が更けるまで遊び、踊る。
仕事に追われるだけじゃない。
ちゃんと仕事以外の時間を過ごすことが大事にされている。これが、最も生き物らしい生き方。
3rd place という言葉は、アメリカで生まれたけれど、背景は同じ。
仕事に追われ、休む場がない生活に疑問を感じたところからはじまっている。
事情が似ているからこそ意味がよくわかる。そう、「3rd place が必要」だと。
これだけ追い込まれながら仕事をしているからこそ、息抜きできる場が必要なんだ。
前以上にストレスがかかる今の世の中には必要なんだ。
今、日本は疲れている。人は疲れている。
⑤「3rd place」という言葉
「3rd place」とは、米社会学者レイ・オールデンバーグが『The Great Good Place』によって提唱された言葉。
都市の中の中間領域について語った言葉。
都市に生きる人には3 つの居場所が必要である。
1 番目の場所(1st place) は” 家” であり、2番目の場所(2nd place) は” 職場・学校” である。
そしてこのふたつを結ぶ中間地帯が、3 番目の場所、つまり”3rd place” であり、これの在り方が都市の魅力を大きく左右する。
人間は、形式張らない社交の場に集い、仕事や家庭の問題を忘れ、くつろいだ雰囲気で話をしたいという欲求を持っている。
ビアガーデン・パブ・カフェは日常生活の憩いの場だ。
そこはニュートラル・グラウンド(中立地帯) であり、社会地位はさておき皆が平等に扱われ、会話が主たる活動となる。
「スターバックス成功物語」
1st place=家庭
2nd place=職場・学校
3rd place=中間領域
3rd place とは、家庭や職場にしばられない領域、都市の中の中間領域。
そこでは、自由な交流が行われる。
また、今風な使い方では、ひとりの時間を楽しむ、プライベートな場所にもなる。
例えばスターバックスの3rd place は、大切にしたいひとりの時間を優しく見守ってくれるもの。
3rd place、そこは、「息抜き、交流、憩いの場」
《つづく》
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