この考えの原点は、大学時代に遡ります。
大学時代にいくつかの経験が重なり、「暮らし方を選ぶ」ことについて、考えるようになりました。
それから月日は経ちましたが、今でもその考えは変わらず、自分なりにもう一度探求してみようと思い、このJourneyer Project につながりました。
その経験をご紹介します。
①「サードプレイス」と卒業設計
学生時代の設計テーマで、「サードプレイス」というものを扱いました。アメリカの社会学者レイ・オールデンバーグという人が提唱した言葉です。いわく、
都市にはファーストプレイスである家、セカンドプレイスである職場、
アメリカ社会学者レイ・オールデンバーグ
そのどちらにも属さないサードプレイスである中間領域があり、
そのサードプレイスの質が、都市の魅力に大きく影響を及ぼす
これを基に、
都市にこの「3rd place」を混ぜこんで、
色々な選択肢を都市の中に作ったら、もっと暮らしやすくなるのではないか
というテーマで卒業設計を作りました。
詳しくは、卒業設計で作ったものを記事にまとめましたので、読んでみてください。
②友人の設計課題:ハウスサーフィン
友人が大学時代の設計課題で、新しい住まい方について取り上げました。それは、
家を持って定住する”長期滞在”と、ホテルに泊まるような”短期滞在”
この二つのちょうど中間を取った”中期滞在”ができるような住まい方
学生ながらに感じていた今の住まい方に対する違和感と、淡い期待を持って作られたものですが、最近になって実現化しているプロジェクトを見つけ、期待と悔しい気持ちでいっぱいになりました。
この友人の設計課題をお手伝いしたコンセプト文がありますので、青臭い内容ですが、もし興味があれば読んでみてください。
③外国人のライフスタイル
アイルランドでの短期留学生活中、同じクラスに驚くほど様々な立場の人がいました。26歳で学校の先生をしているスペイン人、30歳で会社員として働いているブラジル人、17歳で高校生のフランス人。滞在は短くて2週間、長いと3ヶ月の人もいましたが、社会人として働いている人は全員、長期休暇を利用して来ていました。
休職も、もちろん退職もせずに留学をするなんて、日本ではごく限られた人しかできないでしょう。
事前知識として、欧米では長期休暇の日数が長いことは知ってはいましたが、それでも目の当たりにすると、文化の違いに驚かされました。
そして、学生のみならず、社会人になっても、学ぶこと自体のハードルが低く、
留学や大学で勉強し直すといった、自分のキャリアのための選択が当然のようにできる習慣
が、そこにはありました。
④日本のライフスタイル
以前よりも働き方が多様化してきましたが、それでもまだまだひとつの会社に専業することが当たり前で、自然と職場も場所を選べず、住まいも職場も固定されていることが多いです。
そして、欧米のように、長期的な休暇やキャリアアップの為の勉強といった習慣は根付いていません。
今までは全員で進学し、全員で就職、全員で勤め上げて、全員で退職、という、
「みんな一緒」が当たり前で、「みんなと違うこと」ができない世の中
でしたが、すでに日本人全員が分かっている通り、もうそれではうまくいかなくなっています。
⑤これからのライフスタイル
そんな経験が重なり、漠然と「暮らし方を選ぶ」ことを考えるようになりました。学生時代の考えではありましたが、今でも根本的な考えは変わらず、社会人の経験が肉付けされ、最終的にJourneyer Projectに行き着きました。
この経緯を思い浮かべつつ、「Journeyer Projectについて」を読んでいただけると嬉しいです。自分を含めたくさんの人が、少しでも豊かな暮らしができるよう、少しずつ発信していきたいと思います。