住まいを長く使うためには、定期的に手を加える必要があります。ただし、
・いつ、どのように手を加えれば良いのか
・合わせてやった方が良いことはないか
といったことに悩まれる方も多いです。リフォームを計画するにあたり、
・どんなメンテナンスが必要か
・リフォームのタイミング
・リフォームとメンテナンスのスケジュール
に注意をしながら、進めていくと良いでしょう。
ここでは、マンションと戸建それぞれに必要なことから、工事ごとの組み合わせやスケジュールを簡単に紹介します。
※「リフォーム」や「メンテナンス」等、言葉の違いについてまとめた記事がございますので、参考にこちらもご覧ください。
リフォーム?リノベーション?リフォームに関する言葉について
①マンションで必要なメンテナンス
マンションでは、共用部は「管理費」や「修繕積立金」で手入れされるため、自分でやるべきことは、基本的に専有部内の工事です。
【注意点:給水管、給湯管】
専有部内の配管は区分所有者の持ち物のため、
原則給水管、給湯管は自身でメンテナンスをする必要があります。
注意が必要なのは、「鉄管」。
最近は「樹脂管」が採用されており、水漏れのリスクはだいぶ減っておりますが、鉄管の場合はサビにより、水漏れの被害が出ることが多いです。
特に2000年より前に建てられたマンションは、鉄管の可能性が高いです。
②戸建で必要なメンテナンス
戸建の場合、マンションとは異なり、外部も自身でメンテナンスを行う必要があります。
外部の工事は、目に見えて生活が変わるものではなく、ありがたみが感じづらくはありますが、これを怠ると、雨漏れやシロアリ被害(土台や柱が食べられる)など、構造部に直接ダメージを受けてしまう可能性があるため、しっかりと計画しておく必要があります。
③道連れ工事
リフォーム工事によっては独立してできない場合もあり、ある工事をするために、他の工事が発生してしまうことがあります。
これを「道連れ工事」と呼んだりします。
道連れ工事の例
→壁紙の貼替、フローリングの貼替
・ユニットバスの交換
→洗面室の壁紙、床材の貼替
・配管更新
→ユニットバスの交換、床の一部撤去、機器の脱着
・壁紙の貼替
→エアコンの脱着
道連れではありませんが、
「キッチンを交換したいけど、実は2年前にコンロとフードを変えちゃった」
といったこともよく聞きます。
再利用はできますが、やはり新しいキッチンを入れるということで、結局は新しいものに交換してしまう方が多いです。
ちなみに、エアコンは7年くらい経ってくると、機器の劣化により、脱着した際に壊れてしまう恐れがありますのでご注意ください。
④間取りを変えるタイミング
間取りを変える多くの理由が、
- 子供が出て行って、部屋が余ったので、リビングに取り込みたい、大きな収納にしたい
- 子供が増えたので、部屋を増やしたい
- 介護をすることになったので、介護部屋として大きな部屋が欲しい
といった、「ライフスタイルの変化」によるものです。
ある程度時期が予想できるものもあるので、「子供が就職する◯年後にリフォームをしよう」といったことを、「道連れ工事」を踏まえて目安を立てておくと、
「子供がいなくなったから間取りを変えたいけど、キッチンを3年前に交換してしまったので、フローリングが貼り替えられない!」
といったことを防ぐことができます。
→壁紙の貼替、フローリングの貼替
・フローリングの貼替
→キッチンの交換 or 脱着
→子供の独立のタイミングが、キッチンの交換のタイミングに影響!
また、将来の部屋の使い方の変化に対応できるよう、フレキシブルな設計にしたり、リフォームを2期工事に分けることもあります。
⑤メンテナンススケジュール
それぞれの部位で、どのくらいの頻度で何を行う必要があるか、簡単にまとめました。
実際には、5年刻みで点検や補修等が必要になりますが、全体像の把握のため、今回は10年おきに作りました。
ご覧の通り、20年を超えたあたりが、大きなポイントになります。
全面的なリフォームをタイミングとしては、20〜25年あたりが多いですが、最近は少し早まる傾向にあり、15〜20年の間で全面的なリフォームを行うことも増えています。
※あくまで目安となります。建物の環境や、今までのメンテナンスの状況により変わってきますので、詳しくはリフォーム会社に相談してみてください。
最後に:検討すべきリフォームは多岐に渡る
ここまでのものはほんの一例です。
- 戸建 :樋、屋根、耐震補強
- マンション:共用部縦管の改修、インターホンの交換の時期
- 共通 :ネット環境
等、まだまだ考えることはたくさんあります。
これらは、リフォームを専門に扱う人でなければ気づけないところが多いため、自分で全てを考えるのには限界があります。
リフォーム会社を選ぶ際には、「言われたことだけをやる」会社よりも、「メンテナンス等までを総合して提案してくれる」会社に任せると安心です。
長期的な計画のためにはまだまだ考えなければいけないことがたくさんあるので、なるべく効率的に、無駄のないようにリフォーム・メンテナンスをするためにも、リフォーム会社に相談しながら、長期的に考えておくと良いでしょう。